出身高校:高校中退後大検取得

入学大学:岩手医科大学

 

◇受験環境

僕は30歳で医学部を受験すると決めました。

ですが、勉強からは全く遠ざかっていたので、ほとんどゼロから始めるしかない状態でした。

受験を決心してから最初に受けた模試の偏差値は、なんと!英語も数学も30台でした。

決心はしたものの、うまくいっても4年、いや5年以上かかるかもしれないと覚悟していました。

1年目は医学部受験専門塾に通い、大手の単科授業も追加し、多くのお金と時間をかけました。授業を受けて、自習室でしっかり勉強することを繰り返していけば、おのずとできるようになっていくだろう、そう思っていました。しかし、これはまったくの間違いでした。今振り返ると、1年目は完全に棒に振ったようなものだったと思います。振り返ると、正しいやり方でしっかり勉強するということができていなかったと思います。1年目の後半になり、実力がついているという気が全くせず、次の年のために徹底的に予備校・塾を調べることにしました。幸い僕には予備校で講師をしている友人がいたため、彼に相談をしました。そうすると、「偏差値40を70に上げる、大学受験英語の戦略と勉強法」(エール出版)を薦められました。彼からは、「僕たち予備校講師の間で参考にしている本で、とても読みやすい。英語だけじゃなく他の科目にも応用が利くから、一度読んでおくと無駄な遠回りをしなくて良い。」そのように薦められました。

彼自身が、神戸講師会主催の講師向け勉強会に参加し、プリント作成の方法や授業の進め方、カリキュラムの作成方法を教わっているとのことだったので、興味半分でその本を手に取りました。ちなみに神戸講師会は神戸ではなく名古屋にあります。南野先生の著書を読んで、それまでの自分の勉強がとてつもなく遠回りであったことに気付かされました。僕は土台を固めることをせずに、難しい入試レベルの問題にばかり手をつけてしまっていたのです。それ以後は最短で合格という目標に突き進むために、土台となる基本のところから学習を始めていくことにしました。しかし、自分でやるにはあまりに量が膨大すぎたので、信頼できる講師について最短最速で勉強していきたいと思い、講師会に入会することにしました。

 

◇予備校の利用法

最初は大手というだけで「安心」というイメージを持っていました。大手の授業を受けて、しっかり自習していけば力はついてくるはず、と信じていました。しかし南野先生の著書を読んでからは、僕は中学生の問題集から自力でやり直すことにしました。というのも、一括で授業料を納めなければならない塾や予備校だと、僕のように途中で行かなくなったら、それはお金を捨てたも同然です。自分で勉強する方法が見えてきた以上、無駄にお金を使いたくない、親に負担をかけたくない、というのが本音でした。一括前納の予備校・塾に行けばまた新たにお金がかかるからです。ちなみに講師会は、入会金がありませんでしたし、授業料も一括前納ではなく後払いでした。しかも、授業料返金制度、というのもありました。これは入会後1ヶ月以内に通塾しないことを決めた場合、その間にかかった全額返金します、というものでした。だから僕は最後に、講師会に通ってみよう、という気持ちになったのです。自習室についてです。南野先生の著書にも書かれているように、自習室で本当に質の高い勉強ができている受験生はわずかではないでしょうか。僕も実際にそうでした。自習室にいるだけで、ついつい勉強した気になってしまうことがよくありました。予備校はペースメーカーとして単科で必要な科目のみ取る、というのがいいと思います。受験勉強は何より、効率とやり方が大切です。正しいやり方さえ身につけば、大学の図書館や公営図書館でも十分勉強はできます。時間も短くても構わないと思います。これは僕自身の体験からも、また共に神戸講師会で学んだ国立大医学部に合格した人たちを見ていても断言できます。

 

◇合格を決めた勉強法

「ゆっくりでいいから、一つずつを完璧に」を合言葉に、どの科目も中学範囲からじっくりとやっていきました。といっても授業はただじっくり進んだのではなく、医学部を受験するにあたり、重要視する単元とかるくとばす単元をそれぞれ最初に示してくださるなど、先生方は常に医学部合格までの無駄を徹底的に排除してくださいました。指導内容は常に一貫しており、最短最速で医学部合格へ向かっている、という安心感を持つことができました。基本的なことが習得できてきたかなと思い始めた頃から、段々と授業の進度が上がっていきました。受講当初は丁寧に一つずつ指導してもらっていたのが、自分自身でやっていくスタイルに自然と切り替わっていきました。つまり、本当の意味での自習が初めてできるようになっていきました。「これが一年前に僕のやりたかった自習だ!」と思い、ひたすら勉強する日々になっていきました。勉強する時には、「先生として教えられるか」をテーマに取り組みました。「なんとなく分かっている、というのは分かっているということにはならない。先生として教えられるレベルまで。」と何度も言われました。1冊のテキストを人に教えられるレベルまで繰り返し取り組むことで、ぐんと理解が深まっていきました。最終的に英語と数学の偏差値は70近くにまでなったのですが、基本をしっかりとマスターし、教えられるレベルまで理解することを徹底したことが良かったと考えています。

 

◇使用テキスト、参考にした本

南野徹雄先生の「偏差値40を70に上げる、大学受験英語の戦略と勉強法」(エール出版)

和田秀樹先生の「医学部合格の極意」(新評論)

これらは医学部を第一志望とする受験生はもちろん、あらゆる大学を受験する生徒に最適です。

 

英語

新中学問題集2年、3年

高校リード問題集英語Ⅰ、英文法A

単語集・・・合格英単語600(ゴマ書房新社)

熟語集・・・合格英熟語300(ゴマ書房新社)

ネクステージ(桐原書店)

英語長文ハイパートレーニング123(桐原書店)

過去問は2年間分しか解いていません。

医学部専用、といった特別な問題集・単語帳には特に取り組んでいません。基本がしっかりしていたらどんな文でもしっかり読めるようになると分かったので、新しいものに手を出すよりも、復習を繰り返し行うようにしました。特に長文は、ぱっと見て意味・文構造がすぐに頭に思い浮かぶようになるまで、同じ文章を何度も音読しました。

 

数学

黄チャートⅠA、ⅡB、ⅢC最初は青チャートを用いていたけど、講師会で黄で十分だから、と言われて変えました。黄を解法を覚えてしまうくらい、何度も取り組みました。

実戦問題はセンター試験と二次試験の過去問に数回取り組んだだけです。

 

化学

らくらくマスター化学Ⅰ・Ⅱ

重要問題集

 

生物

生物の新研究

生物Ⅰ・Ⅱ基礎問題精講

 

どの科目も、新しいものに手をつけるよりも、同じテキストに繰り返し取り組むようにしました。

 

◇志望校の情報集め

これは友人の予備校講師に言われたことですが、今はインターネットでほとんどなんでも手に入る時代です。僕は実際の出題傾向の把握のために過去問は購入しましたが、自分ではどういう傾向なのかを掴む程度で、後は講師会の先生に任せていました。過去問は過去二年分しか解いていません。メルリックスから出版されている受験情報の本だけはかるく目を通しました。

 

◇後輩へのアドバイス

塾、予備校選びは慎重にすることをお薦めします。1年目の僕のように、大手予備校の授業を受けて自習室で勉強すれば、ということだけで安心するのではなく、どれが今の自分に必要か、を吟味して取捨選択することは重要であり、受験生のセンスが問われるところです。志望校合格、という目標に向けて真剣に向き合い、志望校まで最短で、と思うのであれば、本当に自分に合ったものをしっかりと探す必要があるでしょう。本当に自分に合った、本当に良いものを探すときは、インターネットや他人の噂や風聞ではなく、正しい情報源から、そして自分自身の感覚で吟味する、ということが必要になってくるのではないか、またそれも情報が氾濫している現代の受験生にとって、必要なスキルではないかと僕は思っています。僕は医学部への再受験を決めた時に5年はかかるかもしれないと覚悟していましたが、英語と数学の偏差値は30以上あがり、2年で合格することができました。これは僕の努力はあまり関係ないと思っています。(正直なところ、努力をしたという感覚はあまりないのです。)正しいやり方で物事にあたれば、おのずと結果はついてくるという単純なことだと僕は考えています。僕が遠回りしてきたこと、そして僕の拙い体験記が受験生の方の一助になればと考え、書かせていただきました。