第8章 塾、予備校のメリット、デメリット

 

★塾、予備校を選ぶ時のリスク

もしあなたが、塾、予備校の研究をしていたら、それだけで時間がかかってしまいます。

また、塾、予備校のチラシ、ホームページを見ればわかりますが、良いことばかり書いています。

正直言って、僕が監修しているところ、関わっているところも全てそうです。

結局、授業を受けてみないとそこがいいのか、悪いのかは分かりません。

それを確認するために、一日とか一週間の体験授業をさせてくれる塾は結構あります。

ただ、この一日や一週間の体験授業のときだけ、その塾で1番良い先生に教えてもらえるというのが、業界の悪い慣例。

入塾後、常にその先生に教えてもらえるとは限りません。

入ってから2週間後に、

「なんかここ嫌かも・・・」と思うかもしれません。

「入ったけど、他と比べてみたい。最初はいいこと言っていたけど、話が違う。」

まあ、そういうこともあるわけです。

そんな時、

「入塾金払ったし・・・しょうがないここにいよう」

「入塾金を払ってしまったからやめにくい・・・」

「他を探すのがめんどう・・・」

「もうやめられない・・・」

すごくもったいないことです。

自分に合わない、なんか嫌だと思ったのに、入会金、入塾金が足かせになってやめれない。

そう、これが塾、予備校を選ぶ時のリスクです。

 

 

★塾、予備校を選ぶ時、最低限確認するべき2つのポイント

講師が正社員か。出身大学はどこか。テキストはオリジナルか。塾、予備校の選び方を本格的に書き出すと、本が1冊できてしまいます。

そこで、ここではごく簡単に、重要なポイントを2つだけ教えておきます。

入塾金、入会金のないところを選ぶ。

授業内容を保証しているところを選ぶ。

この2つです。

この2つを言い換えると、気に入らなくても、足かせとなる入会金がないのでやめやすい塾を選ぶ。

気に入らなければ、授業料を返してくれる塾を選ぶということ。

これで、塾、予備校を選ぶ時のリスクをゼロにすることができます。

 

こういうとこを選べば、自分が満足できるかを、授業を実際に受けて確認することができます。また、自分に合わなければ簡単にやめられます。

このとき、自分に合うかを確認する期間、授業料が返ってくる対象となる期間は、一日や一週間ではなく、ある程度の期間が必要です。最低3週間は必要でしょう。

 

関西ではいくつかの評判の進学塾でこういう保証制度が設けられています。

僕は、講師を始めてからそれを知りました。

講師会では、授業料返金制度という名前をつけて、授業内容を保証しています。

授業料返金制度とは、

「1ヶ月以内に退会した場合、一切の理由を問わず、即刻、授業料、教材費等、全額返金する。」

というものです。

1ヶ月間のお試し期間がついているということです。

そして、そのお試し期間に満足ができなければ、「ここで成績が上がる!」という実感がわかなければ、退会の時に、お試し期間にかかった費用が全て戻ってくるという制度です。

 

授業料返金制度なんてものがあると、当然、講師は毎回の授業が真剣勝負で、一切手をぬけません。

講師会では、授業を始めてから、遅くても3週間でなんらかの手ごたえを必ず感じてもらえるようにしています。

それはお金をもらっているプロとして当然のことです。

そんなふうに僕を含めた講師全員が、全ての授業に全力を尽くしています。

それでも、生理的にとか、レベルが、とか、まあ、色々あるかもしれません。

字が嫌いとか、顔が、声が・・・

そんな風に生徒が感じた時に、生徒が簡単にやめることができるように、

中学生の時に僕が感じた、塾を変わる度に入会金を両親に出してもらう申し訳なさを、講師会に来る生徒が感じなくてすむように、

入会金をとらずに、1ヶ月間のお試し期間を設けています。

 

 絶対に成績を上げる!」なんて言わないし、これからも言えません。

未来のことを100%保証するなんて無理です。

自信があるから授業料返金制度を取り入れたとも言えるけど、万人が満足いくものを提供する100%の自信がないから、満足できない生徒がいるかもしれないからというのも、授業料返金制度を取り入れた理由です。

あとは、生徒が判断してくれる。

それでいいと思っています。

 

塾、予備校の経営者が本当に自分たちの授業に自信があって、生徒の事を考えていたらこのような制度を取り入れられるはずです。

当然、働く講師は毎日、一切手が抜けない真剣勝負の授業をします。

手を抜いたらつぶれてしまいますから。

 

 

★家から遠い塾、予備校は?

「通っている予備校()まで、自宅から2時間近くかかるのですが、やめた方がいいですか?」

このような相談をまれに電話で受けることがあります。

「その予備校()を気に入っているのであれば、まったく問題無い」というのが僕の答です。

というのも、移動している間は、強制的に電車やバスに乗せられている状態なので、単語帳をみたり、授業の復習ができます。意外なことに、集中して暗記もできます。

毎回、通塾の度に嫌でもそれだけの勉強時間が確保されるのはむしろ好ましいことです。

実際、僕のところへも県外から1時間以上、中には2時間以上かけて通って来る生徒がいます。

みんな問題無く通ってきています。

体力的に問題がなければ気にする必要はないでしょう。

 

 

★自習室の使い方

僕は自習室で本当に勉強ができているのは、100人中10人いるかいないかだと思います。

【机に座って、ノートに何かを書く】というだけでは勉強ではありません。

大切なのは、正しい勉強をしっかりと時間をかけてすることです。

これは、安河内先生も著書の中で同じことをいっています。

「周りがうるさくて勉強できない」という人が結構います。

でも、本当は、周りがうるさいなんていうのは勉強できるかできないかには関係ありません。

信じられない人は、ためしに1ヶ月間、いや、一週間でもいいから、本当に静かなところで勉強してみたら僕の言っていることが分かると思います。

軽井沢の避暑地のようなところで、一週間勉強できる環境が全て整っていると考えてください。

勉強できますか?

もし、本当に静かなところで勉強して、偏差値が上がるのであれば、全く問題ないでしょう。

静かな自習室で勉強すればいいだけです。

そういう生徒は基本、土台がしっかりとできあがっていて、1人で自習ができる生徒です。

僕が、「もう、来なくていいよ。」 という生徒と同じ状態です。

この段階までくれば、学年、成績を問わず、たとえうるさい喫茶店の中でも電車の中でも勉強はできます。

 

勉強ができないと嘆いている90%以上の生徒は、場所が無いとか、集中力が自分に無いとかではなくて、

【自習する、1人で勉強する、正しい努力をするという段階まできていない】だけ。

これが問題の本質。

 

自習室に毎日通って勉強をして、「前に進んでいる。」と誤った判断をしないように注意してください。

大切なのは、正しい勉強をしっかりと時間をかけてすることです。

自習室に通うことではありません。

だから、うちの会は自習室を置いていないし、これからも置くつもりはありません。

もし、生徒が成績を上げるのに、自習室が必要だと思っていたら、とっくに作っています。

 

 

 

★情報量の多い予備校とは?

いまやインターネットの発達で、昔は僕達予備校講師や進学塾の講師が高額で売っていた情報が全て無料になっています。

代表的なサイトは旺文社のパスナビ。

入試科目や学校の所在地、行きたい学科で志望校を検索できるサイトです。

入試日程や地方入試開催地、大学のHPのアドレスも検索できます。

また、大学で勉強できることは各大学のHPにのっています。

各大学に関する専門家の意見もインターネットで検索すれば、簡単に、無料で手に入ります。

 

こういう無料で簡単に誰でも手に入れられる情報を、いかにも特別な情報であるかのようにふるまい、

 保有している大学、入試の情報量が違う!」と言って、生徒を集める気は僕にはありません。

もちろん、講師会事務局では全国の高校、大学入試の問題を分析して、中学、高校のテスト問題も大量に集めています。

でも、残念ながら今はそういうものは簡単に集められるようになっているし、価値がないものになっています。

何が言いたいかというと、

【塾、予備校は、特別な、価値のある情報をもっているんじゃなくて、宣伝のために、生徒も簡単に手に入れる情報を利用している】ということ。

「情報量が違う!」この言葉には要注意です。

昔なら、この言葉をうたい文句にできたんですけどね。(笑)

情報を集めて、1つのテキストを作り上げたり、最高のノウハウを提供することが、本来、塾、予備校がすべきことです。

情報、それだけでは価値がありません。

 

また、

「進路を決めるために情報が必要です。」

「うちは情報量が違うから、有利な志望校選択ができます。」 

という言葉も信用できません。

志望校を選択する時の情報も、生徒が自宅で、しかも簡単に無料で手に入れることができます。

そもそも、進路というものは、結局は自分で決めるものです。

もちろん、うちの会でも志望校の相談にはのりますが、志望校のデータは自分で調べるという姿勢が大事だし、そういう生徒でないと、塾、予備校にまかせっきりという生徒では成績は伸びません。

志望校のデータを生徒が集めてきたら、細かく推移している生徒の成績や状況を分析したものと照らし合わせて、志望校の相談をします。

大切なのは、情報そのものではありません。

 

 

★正社員の講師とフリーの講師はどっちがいい?

「講師はやっぱり正社員の方が責任感がちがいますよね?」

よく、勉強会で受ける質問です。

僕の答は、「そんなことない。講師は正社員よりもフリーの方が良い。」というものです。

 

正社員の講師は収入が一定です。つまりサラリーマン。

だから、最高のパフォーマンスをしなくても、職を失うリスクが低い。

また、最高のパフォーマンスをしても、収入に反映されることはほとんどありません。

だから、正社員の先生しかいない塾、予備校の、講師間の競争は激しくありません。

 

一方で、大手予備校、有名進学塾の中での、講師間の競争は本当に激しいものです。

これは、全て社員としてではなく、一年契約で、フリーの講師として採用しているから。

職を失う、収入が減るリスクを抱えて真剣勝負の仕事をしているから。

プロ野球選手と同じです。

実力、実績、人気がなければ、前年度にいくら活躍をしていても、次の年には即クビという世界です。

激しい競争の中で努力して、勝ち抜いて、生き残れる。講師という仕事を続けられるのです。

だからフリーの講師は実力があります。

 

だから、講師会の講師はフリーの講師がメインです。

講師が最大限の力を発揮できるように、実力のある講師のみ採用するために、正社員の講師ではなく、フリーの講師を採用しています。

僕自身も19歳からずっとフリーでしてきました。

 

そんな競争の激しい職場ですが、うちの職場の離職率は異常に低い。

よく、生徒達や他の予備校、進学塾の先生から仲がいいといわれます。

確かに、プライベートでも仲がいいと思います。

お互いに実力を認め合っているから、サッカーやバスケットでいうノールックパスができ、働きやすい職場です。

実力の無い講師には何を説明しても無駄なので、最初から実力がある講師、僕より実力のある講師しか採用していません。

そんな実力がある講師を集めるのは本当に大変です。

だから入会希望の生徒にも、通常、入会まで、短いときでも1~2ヶ月待ってもらっています。

入試直前期は生徒の募集はしていないし、入会希望の電話があっても受け入れられない場合が多く、お断りしています。

これは、既存の生徒を優先して、授業を組んでいるからです。

本音を言えば、全ての入会希望者を受け入れてあげたい。

でも、できないのです。

1人の先生を見つけるのにもかなりの労力と手間が必要だから。

ちなみに、昨年度の名古屋での講師の採用倍率は8%でした。

 

僕には、何百人、中には何千にもが登録をしている家庭教師斡旋会社、塾では、どのように先生の採用と研修をしているのか不思議です。

面接した講師のほとんどを採用しているのではないかと思うほどです。

ましてそんな何百人もの講師全員をどのように研修するのでしょうか?

 

 

★学生講師はどうか?

「学生講師を採用しない方がいいか?」これも勉強会でよくでる質問です。

「学生の先生に教えてもらわない方がいいですか?」と、ご父兄や生徒からもよく

質問されます。

 

僕も昔は、生徒を教えるという責任が大きい仕事は、大学生にはできないと思っていました。

当時働いていた予備校の会議では、学生講師採用に断固反対していました。

そして、僕がまだ学生講師採用に反対していた21歳の時、全国的にも知られている関西の超有名進学塾で、講座を持つことになりました。

そこで講座を持つことになった時には、僕も講師として自信を持っていました。

でも、どうひいき目に見ても、僕の授業はそこの講師たちのものよりもはるかに劣っていました。

彼らは、間の取り方、話しの抑揚、教え方、生徒への接し方、全てにおいて、トップレベルのプロ講師の授業をしていました。

実際、そこの難関校合格率はグンを抜いていました。

実は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そこの講師の9割が大学生でした。

まさか、9割の講師が学生講師だったなんて、本当に驚きました。

そういうこともあって現在、僕は実力と実績のある講師であれば、社会人、学生を問わず採用することにしています。

 

学生講師の採用についてですが、お兄ちゃん、お姉ちゃんが塾でバイトをしている人は知っていると思いますが、大手チェーンの個別指導塾には、意外なほど簡単に、どんな学生でも講師として入れるところがあります。

実際、僕なんかも全くの未経験で18から始めました。

でも、うちでは、指導経験のない学生講師を、大学も何も問わずに採用するなんてことは絶対にしていません。

学生講師を採用する時の最低条件は、ペーパーテストの得点、最低1年の指導経験、現在働いている塾で看板講師であること、生徒を難関校に合格させてきた実績が多くあること。

この条件を全て満たした学生講師のみ、僕が直接面接をして、仮採用をしています。

そして、自分の目で実力を確認できてから本採用をします。

学生の場合、社会人ではない以上、どうしても社会人の講師を採用するよりも厳しい目でテストをしてしまいます。

こんな、厳しいテストを突破してきている講師のため、正直言って、講師会には僕よりも実力のある学生講師がいます。

 

つまり、学生講師の中には適当に採用をされた未経験の講師と、数は非常に少ないですが、プロの講師に負けない力を持っている優秀な講師もいます。

野球でも、松坂のように18歳からいきなりプロの世界で、年上の投手よりもいい成績を出す投手がいます。

学生講師にも、そういう講師が数は少ないけど必ずいます。

さすがにうちでは未経験者は採用しないので18からは採用しませんが。

 

 

★おすすめの予備校講師

予備校講師の実力は差が本当に激しい。

そして、大手予備校の授業は、本当に良い授業であっても、大人数で講義をきいて自分のものにするには、ある程度の実力が必要です。

講義中に、気軽に質問をできないからです。

大手予備校の講座を受講するときは、まず、基礎学力を身につけておくこと。

これが必要です。

基礎学力を身につけたうえで、実力のある講師の講座を受講することはとてもよいことです。

おすすめの予備校講師は、

代々木ゼミナールの富田 一彦先生

東進衛星予備校の安河内哲也先生、

マスタードシードアカデミーの中澤一先生、

この3人には、僕は絶対に勝てないと思います

 

 

coffee break 僕が18歳から気をつけていること

塾や予備校についていろいろ話をしてきました。

ここで、かなり話しは脱線しますが、

僕がこの仕事をしていて18歳の時から気をつけていることを話します。

 

塾講師という仕事は、生徒に対してすごく影響力がある仕事です。

この仕事を始めたとき、生徒は、本当に盲目的に言うことをきくのだと、驚きました。

また、この仕事は「先生」と呼ばれるから、若くして「自分は偉いんだ」と錯覚しやすい仕事です。

そんな錯覚をおこさないように、昔から気をつけていることがあります。

雑談の時には、「僕が思うには・・」と最初に必ず言うことです。

生徒とする会話は、20代の僕の乏しい経験をもとにするわけで、人生経験なんてほとんどないわけだから、偉そうなことはいえません。

また、生徒を怒るときは、昔と違って、今は、マナーが悪い時に叱るぐらいです。

生徒のテンションを下げてしまうから。

この2つが、僕がこの仕事をしていて気をつけていることです。

受験生も、受験生をするからには気をつけることがあるはずです。

リストアップしておくのもいいかもしれません。