第9章 業界の慣習に一石を投じるために

 

★名古屋の教室について

本山の教室は、建物自体は決して新しくありません。

そして、大きな看板も出していません。

建物の小さな入り口のところに、小さな表示灯をだしているだけです。

それも、漢字で神戸講師会と記入されているのではなく、

ロゴとKobe-Koushikaiのアルファベットの文字だけが書かれています。

こないだは、カップルが表示灯を見てカフェと間違えて階段を上がってきてしまいました。

また、【○○合格!】なんていう垂れ幕もありません。

そんなのかっこわるいし、何より生徒に得がありません。

こんなふうに、どこにあるのか分かりにくく?

隠れ家みたいになっているのは、口コミで入会する生徒をメインにしていてるからです。

大々的な広告や宣伝によって、講師会の授業を知らない生徒に入ってきてもらっても、意味が無いので。

 

それでは、中に入ると、どんなところかというと・・・・・・・・・、

教室に来た生徒や先生に、「塾らしくない!」と驚かれる空間です。

アール・グラージュの絵(海辺の絵が昼から夜に変わったり、春から夏、秋、冬へとだんだんと変化する絵画です。)が飾られていたり、いろんな種類のハーブティー、紅茶、コーヒー、ココアを用意していたり、廊下にはその日によってクラシックがながれていたり、ジャズが流れていたり、屋上も開放していたり、本当に塾らしくありません。

うちの教室に来た、学校、予備校の先生には「すごくこだわっているんですね。」とか、「やはり成績を上げるためにはこういった環境が必要でしょうか?」とよく聞かれます。

それに対する僕の答えは「全くこだわっていません、成績を上げるために全く必要ありません。」というものです。

こういったものはおまけのおまけのようなものであって、極論を言えば、青空教室でもいいと思っています。

僕達がこだわりを持っているのは、授業内容、テキスト、そして生徒の様子を見極めるタイミング(何をどのようにいつ教えるか)などです。

プリントなんかは本当にこだわりを持っているので、2007年度のセンター対策のプリントなんかは、ストックしてあるものを全て捨て、もう一度最初から全て作り直しました。

大変な労力でした。

というわけで、塾らしくない空間ですが、特に空間自体にこだわりはありません。

ただ、生徒と先生が気持ちよくいれる方がいいかなと思い、そんな空間にしているだけです。

 

 

★授業を提供できる対象は3パターンのみ

そんな塾らしくない空間で提供している授業はというと・・・

内容はかなり絞っています。

ユニクロ作戦でもお話しましたが、

講師会は何でもする塾ではありません。

全科目、全学年、あらゆるレベルの生徒を引き受けるなんていうのは考えられません。

限られた高校入試、大学入試のコースに絞っています。

中学生は対象中学校を20校に限定、指導は英語、数学に特化、

高校生、既卒生は、対象を偏差値55以下の私大文系志望者、私大医歯学部志望者に限定、

指導は私大文系志望者なら英語、国語、私大医歯学部志望者なら英語、数学、理科に特化。

生徒の対象を絞って、対象となる生徒の飛躍的な成績上昇にだけ力を入れています。 
幅広い指導をすると、どうしても個々の指導レベルが低下してしまうからです。

もちろん、どんなレベルの生徒にも良い授業を提供する自信はあります。

でも、胸をはって対象となる生徒に「名古屋で一番の授業を提供する。」 

というために、徹底的に対象とする生徒の指導にこだわっています。

 

 

★どうして高校生は偏差値55以下の受験生しか受講できない?

高校生の対象を偏差値55以下に限定していることについてよく質問をされるので、これについてはふれておきます。

僕は2004年の春に名古屋に来ました。

実はこの時、講師をしようとは思っていませんでした。

神戸で働いていたころの知り合いから、

「名古屋でも授業を提供するから、参加してほしい。」

「授業をするだけではなく、全体的な監修もしてほしい。」と言われ、

「全体の監修ができるのであれば・・・」

「神戸時代から疑問を抱いていた、塾、予備校業界の慣習に一石を投じられるかもしれない。」と思い、もう一度、この仕事を始めることにしました。

 

多くの進学塾、予備校では、偏差値が高い生徒を指導したほうが、高い合格実績を残せるという理由で、偏差値の高い生徒を少しでも多く集めるために、色んな制度を設けています。

代表的なのが、筆記試験で偏差値の低い生徒を不合格にして入会を断ったり、偏差値が高い生徒のみ授業料の免除、割引をすることです。

そして、少しでも高い合格実績を出すために、実力のある講師を、偏差値の高い生徒にあてがうのが業界の慣習。

また、その合格実績を売りにして、次の年の生徒を集めようとします。

そうやって集めた生徒で、偏差値の低い生徒の指導には力を入れず、偏差値の低い生徒には良い講師をあまりあてがわない。

同じ授業料を払っているのに、偏差値が高い生徒だけ優遇される。

それって変ですよね?

偏差値70の灘校生を指導して、東大に合格させるのは当たり前です。

偏差値35の生徒を南山大学に合格させるから意味があります。

成績を上げられないのであれば、塾、予備校は必要ありません。

この、変な業界の慣習が僕は昔から嫌でした。

そして、全ての塾、予備校が、偏差値の高い生徒を優遇していては、クラスで41人中41番の成績だった昔の僕が通うところはありません。

昔の僕のような生徒のために、そしてこの変な業界の慣習に一石を投じるため、

うちは、合格実績ではなく、成績の上げ幅で勝負。

本当に困っている、成績の上げ幅が大きい、偏差値55以下の生徒に対象を絞ることにしました。

 

だから、どこに行っても成績が上がらなかった生徒、今の成績に満足していない生徒、やる気はあるけれども、どのやり方、どの予備校を試してみてもイマイチだったという生徒。

僕と同じように、試行錯誤して悩んでいた生徒にうちの会を試してほしいと思っています。

 

逆に、よくあるんだけど、お母さんにすすめられて来たけれども、

本人は、「別に成績は上がらなくてもよい。」と考えているとか、「成績を上げたい。」という気持ちがない場合はうちに来る必要はないと思っています。

そういう生徒の場合、うちにきても成績は上がりません。

どの塾、予備校にいっても、難しいと思います。

生徒の気持ちに「成績を上げたい。」というものが無ければ、成績は上がらないので、面接の時に、入会を断っています。

また、今、他の塾に通っていて、成績が上がっていっている生徒には、「こなくてもいい。」と言います。

成績が上がっていっている生徒は、今のところにいるべきでしょう。

本当に相性のよい先生とはなかなか出会えないからです。

うちの会には、行き詰った時に来ればいいと思っています。

 

こんな風に、本当に困っている生徒に対象を限定して、授業を提供することができないんだったら、神戸にいた時と同じように、国公立、医学部志望の生徒の指導がメインになるんだったら、名古屋ではこの仕事をしなかったと思います。

 

 

★カリキュラムについて

講師会の一番の特徴がコンサルティングであることを前に書きましたが、うちの会では期間を区切ってのカリキュラムの作成はしません。

もちろん、学習順序などの大まかな流れをカリキュラムとして作成することはします。

ただ、【いつまでにこれをする】という期間を区切ってのカリキュラムの作成はしません。

というか作成できません。

科目間を越えて、1人の生徒を担当している講師全員が、生徒の調子を見ながら、進度や学習順序を相談して微調整しています。

この微調整が講師の腕の見せ所で、一番、重要なところです。

要は、その生徒にとっての最短距離のカリキュラムは、オーダーメイドということ。

生徒と、生徒の調子によって、変えるしかないんです。

 

今まで、進学塾、予備校で、僕自身が教えてきて、期間を区切ってのカリキュラムの作成の弊害を何度も見てきました。

 

カリキュラムを期間を区切って固定してしまうのは、塾、予備校を運営する側からしたら、ものすごく楽なことです。

一応、一年間にしなくてはいけないことを、次のステップを踏んでも意味のない状態の生徒にも、無理やり教えることができるからです。

後で、「この単元を教えてもらっていない!」 とクレームにならないからです。

そう、だから、期間を区切ってのカリキュラムの作成は、生徒のためではなく、塾、予備校のため。

そして、保護者にカリキュラムを見せて、いかにも、「作戦を立てています。」というためのもの。

カリキュラムどおりにすすめば問題はありません。

でも、どの生徒も、カリキュラムで決められた予定どおり勉強することはできません。

スランプもあれば、調子のいいときもあります。予定どおりに進むことは、まず、ありません。

理解していないのに、次の単元を教えられたり、理解しているのに次の単元を教えてもらえなかったり、いろんな弊害がでてきてしまいます。

だから、自分で勉強をする時に、「 いついつまでにここを終わらせなくては!」と自分で期間を区切ってカリキュラムを作成しないようにしてください。自分で、微調整する必要があります。これはとても重要です。

 

 ※設立当初は、生徒の受け入れは上記の対象者のみでしたが、多くのご要望をいただき、現在は偏差値70を超える生徒も多数在籍しております。受講可能かどうかは個別にご相談しておりますので、不明点がございましたらいつでもお問合せフォームにてお問い合わせください。