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2025年度から始まる新課程入試の特徴と共通テスト対策③

2024年03月15日

新課程入試対応共通テスト試作問題の研究と対策

新課程になるにあたり、大学入試センターから令和7年度試験の試作問題が公開されています。(https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7/r7_kentoujoukyou/r7mondai.html)
この記事では、科目ごとに試作問題の注目点をピックアップしていきたいと思います。

国語

 国語で特に注目すべき問題は第3問です。今までの共通テストは評論、小説、古文、漢文の4問構成で、配点はそれぞれ50点ずつの200点満点でした。しかし、2025年度からは配点が以下のように変わります。

 大問1大問2大問3大問4大問5
内容評論小説資料の読み取り古文漢文
配点4545204545

このように変更が加えられることにより、配点が現代文110点、古典90点と変わります。

 そして、この第3問では短い文章といくつかの図、グラフが与えられ、それらに対する解釈を選択肢の中から解答する問題が出題されていました。そのほか、テーマに関するレポートの穴埋めを行ったり、レポートを完成させるために必要な内容を補足したりと、読解力だけでなく思考力が必要な試験となっています。

 他の大問については試作問題が公表されていないため、文量に変更があるか等は不明ですが、90分で全問解ききるのはかなり難しくなると予想されます。普段の問題演習からスピードを意識する必要があるでしょう。

地理総合

 新課程で新設された科目である地理総合ですが、試作問題の第1問は「地球的課題と国際協力」という単元から作問されました。地理総合では現行課程に比べ、より歴史や政治経済など他の社会系科目との結びつきが重視されています。そのため、難民問題の現状や課題といったテーマから出題となっていました。内容としても単純な知識を問うようなものは少なく、グラフや図に対して知識を応用して考察する問題が中心となっています。

例えば、この問題では説明文とグラフから各国の難民の受け入れ数の推移を読み取った上で難民受け入れの歴史的背景に関する知識と関連付けて考察する必要があります。

このほかにも、第2問では「自然環境と防災」、第3問は「生活文化と多様性」、第4問では「生活圏の調査と地域の展望」という単元からの出題となっています。いずれも新課程で扱われるようになった特徴的な単元であり、出題形式も図や写真、グラフが多用されているため非常に複雑な問題となっています。

歴史総合

歴史総合では近代以降の内容が中心に扱われています。第1問では「人やモノの移動とその影響」が主題となっており、近現代において、人やモノの移動という観点で見た、世界の中における日本の位置づけについて扱われています。日本史、世界史の内容がミックスされた出題となっています。形式としては生徒が主題に関して作成したパネルをもとに、資料の考察を行っていく形式となっています。

 そして問9では資料をもとに、さらなる探求をするための課題、必要な資料について考察を行います。地理総合の出題形式と同じく、単純な知識よりも考察する能力が必要な試験となっています。

 大問2では世界の諸地域における人々の接触と他者認識について扱われています。大問1と同様、世界の中での日本の位置づけやグラフに対する考察問題が出題されています。

公共

 公共に関しては現行課程の現代社会とほとんど同じ出題内容になっています。細かい違いとしては、他の社会系科目と同様に図やグラフが問題文中に多く出現し、それに対する意見や考察を選択肢から選ぶ問題が散見されます。現代社会から公共に変わるにあたって重視された、「自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する」という目標が色濃く出た試験内容となっています。

このようにSDGsや日本における出産、子育て支援政策など現代的なテーマに関しても出題がみられました。

数学ⅠA

数学ⅠAの現行と新課程対応の試作問題の相違点は、問題形式の変更が最大のものとなります。

現行課程
大問1数と式、図形と計量
大問22次関数、データの分析
大問3場合の数と確率
大問4整数の性質
大問5図形の性質

(大問3,4,5から2題選択)

このような形式がセンター試験からずっと続いていましたが、試作問題では

新課程
大問1数と式、図形と計量
大問22次関数、データの分析
大問3図形の性質
大問4場合の数と確率

(全問必答)

このような形式に変わりました。整数の性質が削除され、全問必答となったため、今までのように選択問題で苦手な単元を避けるという手法を取ることができなくなりました。

また、データの分析では新課程になったことに伴い、「外れ値」「仮説検定」という概念が扱われるようになりました。昨年度までの過去問には載っていない内容ですので、過去問演習とは別に個別で演習を積む必要があります。

数学ⅡB

数学ⅡBに関しても出題形式の変更が行われました。

現行課程
大問1指数関数・対数関数、方程式・式と証明
大問2微分法と積分法
大問3確率分布と統計的な推測
大問4数列
大問5ベクトル

(大問3,4,5から2題選択、試験時間60分)

このような形式が、新課程になるに伴い

新課程
大問1三角関数
大問2指数関数・対数関数
大問3微分・積分の考え
大問4数列
大問5統計的な推測
大問6ベクトル
大問7平面上の曲線と複素数平面

(大問4,5,6,7から3題選択、試験時間70分)

このように変更されました。実質的に解く大問数が1問増え、試験時間が10分増加しました。単元ごとの変更点としては統計的な推測で数学Ⅰと同様に仮説検定が取り扱われるようになったこと、平面上の曲線と複素数平面が追加されていることが挙げられます。

 試験時間が伸びたものの、選択問題の数も1問増えてしまったために全体としてはより時間に厳しい試験になると予想されます。特に、全ての選択問題に目を通してから解く問題を決めるタイプの方は早く決断をしないとかなり時間に余裕がなくなってしまうでしょう。

情報

 次は新科目の情報についてです。試作問題の構成は以下のようになっています。

大問1問1情報社会の問題解決
問2情報通信ネットワークとデータの活用
問3コンピュータとプログラミング
問4コミュニケーションと情報デザイン
大問2A情報社会の問題解決、コミュニケーションと情報デザイン
Bコンピュータとプログラミング
大問3コンピュータとプログラミング
大問4情報通信ネットワークとデータの活用

 新課程入試対応の試作問題では、プログラミングに関する設問、データの活用に関する設問が作られました。

情報試作問題

プログラミングに関する出題では、論理回路やアルゴリズムとプログラミングの基本に関する問題が出題されていました。いずれも誘導がついているため、ゼロからプログラムを書く問題というよりはプログラミングに関する知識、理解を問うような問題となっています。

そのため、基礎知識があれば得点できる問題を確実に得点するため、教科書の内容をしっかりとインプットすることから始めましょう。

既卒生向けの旧情報(仮)の試作問題

大問1問1情報化が社会に及ぼす影響と課題
情報社会の発展と情報技術
問2情報通信ネットワークの仕組み
問3情報のディジタル化
コンピュータと情報の処理
問4情報通信ネットワークの仕組み
 情報のディジタル化
コンピュータと情報の処理
大問2いずれか1問を選択モデル化とシミュレーション
大問3  情報社会における法と個人の責任
大問4 情報通信ネットワークの仕組み
情報セキュリティの確保
情報社会の安全と情報技術
大問5いずれか1問を選択問題の解決と処理手順の自動化
大問6情報社会における問題の解決

試作問題では、旧情報の問題は情報Ⅰと一部共通しています。その対応表を下に載せておきます。

情報Ⅰ    →旧情報
大問1 問1,2大問1 問1,2
大問2 A問題大問1 B問題
大問2 B問題大問2
大問3大問5

既卒生は現役生向けの問題集も参考資料になります。情報の配点が高い大学を受験する場合には解いておくと良いでしょう。

まとめ

 今回は新課程の共通テストについて紹介していきました。各科目変更が加えられており、中には点数に直結するような変更があるので受験生は要チェックです。特に国語、地理歴史公民、数学は出題形式の変更が行われている上に配点も大きいため、変更点を理解したうえで問題演習をしましょう。

この記事の監修

 名古屋講師会_浅木真里

株式会社神戸講師会 教務部長浅木真理

大学受験指導歴19年、名古屋講師会創業時より医学部受験、難関大学受験のカリキュラム作成を担当。
数多くの生徒を難関大、医学部に合格させてきた講師会で、学習支援をしてきた受験生とその保護者は1000人超。

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