東海中学・高校の生徒が数学に強い理由は?その秘密は青チャートの使い方にあり!
2025年08月08日進学校のなかでも、在校生の数学の偏差値が高いことで全国的に有名なのが、東海中学・高校です。名古屋講師会本山校にも多くの東海生が在籍し、個別指導を受講しています。東海生の高い数学力には「青チャート」の特徴と使い方、テスト範囲の指定の仕方が関係しているといわれています。そこで今回は、青チャートの特徴やそれを活かした東海中学・高校のカリキュラムとの関係を解説します。
目次
東海中学・高校とは
まずは東海中学・高校について知っておきましょう。この学校は併設型中高一貫校の男子校です。偏差値は東海中学は71、東海高校は73です。中学と高校では募集定員や人数が異なるため単純な比較はできませんが、中学・高校ともに名古屋でトップクラスの進学校です。
数年前に募集定員を減らしたこともあり、少子化の時代ですが、高い偏差値を維持しています。この東海中学・高校は特に数学力の高さで注目を集めています。この高い数学力を生み出しているのが、「青チャート」と呼ばれる参考書を用いたカリキュラムです。
東海中学・高校の数学力を生み出している「青チャート」とは
青チャートは数研出版が出版している数学の参考書で、基礎から応用まで幅広い問題が掲載されています。東海生はこの青チャートを用いた学習によって、高い数学力を維持しています。
東海生のカリキュラムを理解するには、青チャートが持つ特徴について知っておくことが大切です。まずは青チャートの特徴を解説します。
網羅している範囲が広い
青チャートには以下の問題が多数掲載されています。
● 基本例題・・・数学の基本を作り上げる例題
● 重要例題・・・難問を解く基礎となる問題
● 演習例題・・・かなり難しい特徴的な例題
● エクササイズ・・・入試問題
このうち基本例題だけでも難なく解けるようになれば、定期テスト対策としても、模試対策としても、十分な数学力を得ることが可能です。また、基本例題の一つ上の段階の重要例題を解けるようになれば、数学に対する幅広い対応力を身に付けられます。この網羅度の高さは、青チャートの代表的な特徴です。
到達点が高い
青チャートは複数の例題・問題が掲載されており、ほかの参考書と比べてもかなりの問題数を誇ります。これもまた、青チャートの大きな特徴です。基本例題を解くだけでも結構な到達点にたどり着けますが、やりこめばその分数学力を向上できます。
一方、問題数が多い分すべての問題をやりこむのは非常に困難です。解けない例題に時間をかけすぎていると、習熟度に影響してしまいます。青チャートの特徴を最大限に活かすには、いかに効率よく活用できるかを考えなくてはなりません。
東海生の数学力の高さは、このリスクを回避できるテスト範囲の指定の仕方によってもたらされています。青チャートを活用して勉強する際は、このあと解説する東海生の青チャート活用方法を意識するといいでしょう。
指針チャートが分かりやすい
青チャートの解説はどちらかというと固めです。しかし要点やポイントが絞られており、無駄なくすっきりとした内容としてまとまっています。理系に刺さりやすい、コンパクトかつ分かりやすい解説も、青チャートの特徴であり魅力といえるでしょう。
問題にはそれぞれ指針が掲載されており、ポイントや解き方を参照しながら取り組めます。問題の解き方だけでなく解説もきちんとインプットできれば、数学力をしっかり伸ばせるはずです。
まとめが分かりやすい
青チャートは単元の最初にその全体像が1ページにまとめて掲載されています。単元で使う単語や公式などの基本的な内容から、その解説・おさえておくべき基本事項まで網羅されており、内容を参照しながら解くことも可能です。
学校の授業ではいつの間にか内容が進んでしまい、自分が取り組んでいる内容を理解できなくなることもあります。しかし、青チャートは構成通りに進めていけば内容を整理しながら問題に取り組めます。この優れた構成も、青チャートの特徴です。
教科書との親和性が高い
青チャートの解説はオーソドックスな内容であり、教科書との親和性にも優れています。教科書に忠実かつ王道の解き方を解説しているため、学校の内容について行けるならその復習としても活用可能です。東海をはじめとした多くの学校で青チャートが採用されているのは、この親和性の高さが関係しています。
中学・高校数学からぶれないため、受験生が参考書を疑う必要がありません。考え方の流れやサポートツールも記載してあるため、理解不足の部分もきちんと補えます。このことから、青チャートは受験における数学の辞書のような位置にあるといえます。
東海生の青チャートの使い方
青チャートは数学力を高める内容が充実している一方、その問題数の多さから使いこなすのが難しいといわれている参考書です。では、東海生はどのようにして青チャートを使いこなしているのでしょうか。次は東海生の数学力の高さを生み出す青チャートの使い方について解説します。
定石・土台の定着を徹底
東海生が数学を学ぶ際は、原則教科書と青チャートを活用しています。特に1・2年生のうちは、数学の定石や土台作りを徹底しています。これこそが、高い数学力を生み出す秘訣です。東海の授業では、教科書の内容を学び、自宅学習で青チャートの基本例題に取り組む流れで実施します。これを徹底することで入試に向けた定石をしっかり定着できるのです。
東海の定期テスト
定期テストの範囲は青チャートの基本例題と教科書です。教科書の章末問題には青チャートの重要例題がまれに含まれるため、重要例題がテスト範囲になることもありますが、テスト範囲のメインは基本例題です。定期テストの範囲を青チャートの基本例題をメインにすることで、生徒の数学の基礎力を作り上げるカリキュラムになっています。
一方で、東海以外の一般的な進学校の定期テスト範囲は、教科書傍用問題集が指定されます。これらの問題集は、青チャートの重要例題レベルの問題が含まれます。そのため、初学直後の定期テストで重要例題レベルまで取り組まざるおえないため、かなりハードです。かつ、基本例題の定着に使える時間が限られるため、入試を見据えると、東海のカリキュラムより効率がよいとは言えません。
東海の実力テスト
東海中学・高校では、実力テストと数学実力というテストがあります。これらの実力テストでは重要例題もテスト範囲に指定されます。定期テストの範囲が基本例題に絞られているため、基礎・土台をしっかりと仕上げれた東海生だからこそ、実力テストに向けて重要例題の演習ができるようになります。まずは定期テストで基本例題をしっかりと仕上げ、その後に実力テストで重要例題レベルまで仕上げるというとても効率の良いカリキュラムになっています。
東海生は、定期テスト、実力テスト、そして受験対策をすることで、少なくとも、青チャートを時間をあけつつ、計3周分やりこむことができます。自然と青チャートの内容を複数回やりこむサイクルを確立することで、効率的に参考書の内容を吸収できるのです。
東海生の数学力は、青チャート、つまり基本かつ王道の解き方ができる参考書を、効率的に周回することで生まれているといえます。
「読みチャート」
東海生で、「読みチャート」を先生から指導されたという生徒がいました。あまり聞いたことがないので、東海の全教員が推奨しているものではないと予想されますが、これは青チャートの問題を解くのでなく、チャートを読み込んで復習する方法を意味します。
注意点は、初学の時にしないことです。受験直前期、既に青チャートを何回もやりこんでいて、読むだけで内容を思い出せるレベルに到達している受験生に推奨される方法です。青チャートの解説や解き方が定着しているからこそできる時短復習法であり、読みチャートを実施するにはその前にしっかり問題をやりこむことが大切といえます。
まとめ
東海の高い数学力は、青チャートの特徴を捉えた正しい使い方を生徒ができるよう、テスト範囲に青チャートを上手に組み込んだカリキュラムが影響しています。少しでも数学力を高めたい場合は、この東海のカリキュラムを参考に、初学の時は基本例題のみ、基本例題が仕上がってから長期休暇中に重要例題も含めて演習、さらに受験勉強で最初から復習しなおすという流れで取り組んではどうでしょうか。
また、この記事を読んで気づかれたと思いますが、名古屋でも有数の進学校の生徒さえ、初学の時は重要例題を学びません。やはり、基礎・基本が大切ということです。無理して難しい問題に手をだし、時間だけを消費して力がつかないということにならないように、基本を大切にしましょう。
名古屋講師会にお気軽にご相談ください!
名古屋講師会は、愛知県名古屋市の本山で個別指導塾を運営しています。
難関国公立2次対策、医学部受験対策、難関私大対策の指導をしています。
合格実績から、偏差値が高い生徒のみ入会可能と思われがちですが、
勉強が苦手な生徒の成績を飛躍的に上げたいという思いから設立された塾であり、
偏差値50以下の受験生の指導にも力をいれています。
対面授業はもちろん、オンライン授業も行っております。
お気軽に見学予約や受講システムのご説明をご希望ください。
この記事の監修

名古屋講師会 教務部長浅木真理
大学受験指導歴19年、名古屋講師会創業時より医学部受験、難関大学受験のカリキュラム作成を担当。
数多くの生徒を難関大、医学部に合格させてきた講師会で、学習支援をしてきた受験生とその保護者は1000人超。